【まちなかストーリー】絵本の店「キルヤ」 星野紀子さん 第3回「絵本の店を続けていくこと」
- まちなかストーリー
- 2017.02.03
まちなかで活躍する人にスポットを当てて、そのヒトの街に対する想いや物語を紹介する「マチナカストーリー」。
前回のヘアサロン バビロン(Babylone)の松谷さんから紹介いただき、7人目は絵本の店 キルヤの星野さん。全3回に分けて、毎週お届けしていきます。
今週は最終回、「絵本の店を続けていくこと」についてお話していただきました。
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人物紹介
星野 紀子さん
15年前に埼玉県北浦和から浜松へ。30年続いた絵本の店「えれふぁんと」の店舗を引き継ぎ2009年5月に絵本の店「キルヤ」を開業。子供の頃から大好きだった絵本の仕事に就く。様々な方にゆっくりと絵本を見てもらえるようにゆったりとしたスペースで、お店の雰囲気にあったお気に入りの絵本が並ぶ。店内はまさに星野さんの優しい雰囲気があふれる絵本の世界。ちなみに、学生時代の部活は水泳部。
お店のウェブサイト:絵本の店 キルヤ
前回の記事:第2回「絵本の魅力と、絵本の店のお仕事」
15年前のまちなかと比べた時の浜松の印象
ーー今まちなかは、星野さんが浜松に来られた15年前とくらべて、だいぶ様変わりしていると思います。星野さん的に来たときと今と感覚的にどう変わったりしていると思いますか?
私が来てすぐに松菱が閉店になって、事情はよくわかりませんけどそれが印象的な出来事だったんですよ。閉店になるちょっと前に、たまたま松菱に言って、子供がぬいぐるみを忘れてきてしまって。後日松菱に電話しようと思ってたら閉店になっていたんです。そういう意味でも思い出深い出来事でしたね。
まちなかで買い物とかはあまり意識していなかったのですが、来たばかりだったので物珍しさからウロウロはしていたような覚えはあります。まだイオンもなかったですもんね。
ーー15年前に埼玉からこれらて、今後は浜松から離れるつもりはないですか?
実は長くいすぎているかなーとは思っています。でも、市内でちょこっと引っ越しとかはして動いているので、まだそんなにはじっとしてはいない方かもしれません。仕事もこうして変えていますし。
あんまりずーっと長く同じとこにいるのは良くないかもなーと思っていたんですが、「キルヤ」は本当に毎日違う出来事があるので面白いです。
あとは、浜松は居心地がいいんですかね。暮らしやすいとは思いますし、なにより暖かいですよね。雨、降らないですよね。夏は夕立が少ないし。それで、たまに降るとわーって感じで、その後わーって虹が見えたりしますね。すごい嬉しい。
絵本の店「キルヤ」の将来の展望について聞いてみました
ーーこのお店はこんな感じで続けていきたいなっていう将来の展望はあるんですか?
えれふぁんとさんが30年やっていたので、えれふぁんとさんを知っている方にはそう言われますね。でも実は、本当に毎月毎月、今月も乗り切れた…!って感じなので、こんなに大変なことになるのかと初めの頃は全く思っていませんでした。
最初は試算とかしたと思うんですけど、やっぱりそんなに試算通りに行くはずもなく、当時の考えは甘かったですよね。そんなこと言ってしまったらもう、これから開業しようって思っている若い人には夢も希望もないですけど。
本は、他の物販と比べても利率が低いので、どうやったって儲けは少ないんです。かといって、何か違う本を並べたり、カフェとか雑貨とかをやればもう少しは楽になるのかもしれないですし、売り場面積が広ければなぁとかあるんですが、そうすると今度は自分の居心地が悪くなってしまう。
とくに、お店が広くなってしまうとお客さんとの距離も遠くなってしまって、またいろんな違う弊害が出てくるので、どうしたら良いかなぁと今も絶賛模索中です。
キルヤをやっていることって、小さいころ友達がうちに遊びに来てくれておしゃべりしたりしていたことと同じような感じです。なので、根本的にやっていることは小さい頃と何ら変わりないんですよ(笑)
好きなものに囲まれて幸せというのは気持ち的には本当にありがたいことですが、いざ現実を見て経営のことを考えると、さあ大変!という感じです。
半分冗談ですがここのお店で誰か私を雇ってくれる人はいないかなと、好きにやっていいよって言ってもらえてお給料もでれば本当にうれしいんですけどね(笑)
ーー最後にこれからまちなかで起業する方へメッセージをお願いします!
事業はいきおいやタイミングで簡単に始めることができますが、事業を続けていくことの方がずっと大変で難しいです。
人はひとつのことをずっと続けていくうちに、時間が経つとどうしても「飽きてしまう」から。自分自身が「飽きない」ためにできることは、事業を始めた頃の情熱や想いを忘れないこと。
そのためには、冷静に自分を客観的に見る機会を持って、定期的に今の自分自身を振り返ることが大事なことだと思います。
そうすることでいつでも事業を始めた頃の情熱や想いを再確認できて、新鮮な自分に向き合っていられるのではないでしょうか?
あとは、周りの方々への感謝の気持ちを忘れないこと!
私は日々感謝感謝の毎日です 笑
次回の公開予定は3/3(金)、「株式会社 大と小とレフ」の鈴木一郎太さんです。お楽しみに!