『ハママチ散歩♪』インタビューVol.40【中華そば三太：松井康典さん】

有楽街にある中華そば三太の店長、松井です。周智郡森町出身。地元浜松の大学を卒業後、一度は会社員として就職をしましたが、退職しラーメン屋の道へ進みました。実は僕、ラーメン屋を始めるまでラーメンに全く興味がなかったんです（笑）というのも僕が生まれ育ったのは自然豊かな町。新鮮でおいしい野菜や魚などは近所の方から分けてもらえるし、子供の頃は鰹節を削るのが僕の仕事で、その鰹節から母が出汁をとって作ってくれる味噌汁が美味しくて。“自然の恵みを生かした味“というのがごく身近にあって、それが僕にとっての最上級なんですよね。だからジャンクフードとかラーメンを食べたいなとか思わなかったんです。でも当時一緒に事業を始めた知人がラーメン大好きで…東京の行列のできるラーメン屋に一緒にいって、こんな行列に並んでまで食べたいものってどんなものなんだろう…と思ったんですよね。それで自分の味覚を活かしてラーメンを作ったら、絶対美味しいラーメンが作れる！と思ったんです。でも最初は全然上手くいかなくて^^;試行錯誤で進める中で、縁あって中華そば三太としてお店を出す事になりました。中華そば三太で提供しているラーメンは、僕が大切にしている「素材を活かす」というのと三太の特徴「とんこつ系のスープ」のインパクトが合わさって、優しいけれどパンチもあるラーメンです！
 
―食物も人工的な物が増えてきている中で、松井さんの「作る工程を大事にすること」や「自然の恵みを活かしたい」という想い、素敵ですね！ところで中華そば三太の看板メニューはなんですか？
看板メニューですか？全メニュー全て手作りで思いをこめて作っていますが、白湯スープに鰹・煮干しがメインの魚介系スープを合わせた「白そば」がおすすめですね！！

 

お店を持ってからは仕事が趣味です！というくらい仕事しかしていないのですが(^^;しいていうなら地元の「お祭り」ですね。僕の地元、森町では毎年11月に屋台の引廻しと練りがメインのお祭りが開催されます。この時ばかりはお店の仲間に無理言ってお休みをもらって全力で参加しています。
 
人生や仕事って良くも悪くも時と共に変化していくじゃないですか。でもこのお祭りはいつでも変わらず”そこ”にあって、受け入れてくれる、帰れる場所なんです。幼稚園から一緒に大きくなってきた友人や〇〇君のお母さん。そんな変わらない仲間たちと共に過ごす大切な時間。僕にとって1年に1度自分の気持ちをリセットできる大切なイベントです。
 

そうですね。街の雰囲気や行事から四季を楽しめる事でしょうか。
もともと郊外でお店を出していたのですが、郊外って「よしこのお店に行こう！」とか「あの場所に行こう」と目的地が決まっていて車移動が多く、ふらふら出歩くことが少ないんですよね。
でも街中でお店を出してからは、外を歩いている方や街の雰囲気、そしてお客様からも四季を感じることが多くなった気がします。この前のハロウィンの時は、カウンターに座っているお客様がほぼ顔から血を流していたり、お化けだったりしました（笑）お正月には着物姿のお客様が来てくれます。そうやって「ああ、もう〇月なんだなー」って季節を感じるんですよね。

あとは「今日から浜松を離れるけれど、その前に最後の一杯を食べにきました」という方や、「久しぶりに帰郷したから、食べにきたよー」という方がいたり。浜松駅という人が行きかうハブが近くにあるので、自然と皆さんにとっての「帰れる場所」になっていてくれているのかなって。
祭りの所でもお話しましたが「変わらずにある場所」って貴重だと思うんです。だからそんなお店をめざしてずっと続けていかなきゃなと思っています。