「まちのしごと、まちのひと。」Vol.2 河崎真梨子さん
- まちなかストーリー
- 2025.03.28
浜松まちなかで活動する人・働く人にスポットを当てた新コーナー「まちのしごと、まちのひと。」
そのヒトの想いや活動など「ヒト」にフォーカスをしたストーリーを紹介していきます。
第2回目の今回は、
雑貨屋「cirque•quete(シルクケット)」のオーナー「河崎真梨子さん」
にお話しをお伺いしてきました。
目次
自己紹介をお願いします!
雑貨屋シルクケットのオーナーの河崎真梨子です。2022年の3月末にこのお店をオープンしたのでちょうど今頃で3年が経ちました。美術館と温泉が好きです。お休みの日はお友達と会ったり、近くの美術館で面白い展示がやっていれば行ってみたり、日帰り温泉に行って湯舟に浸かってボーっとしたりすることが好きです。
「cirque•quete(シルクケット)」について教えてください。
どんなお店なの?と聞かれる事が多いのですが、私自身も作品を作っているので、自分の作品や浜松近辺で活動されていたり知り合いの作家さんの作品を置いています。そして1個1個自分で選んで買い付けをした「アンティーク雑貨」や「古着」も置いています。ちょっとこう癖のあるというか「ここにしかないもの」っていうものに出会えるお店です。
ーー店内にはアンティーク雑貨や河崎さんが直接買い付けをした商品、浜松近辺で活躍する作家さんの作品など、河崎さんの想いが詰まった商品が並びます。
ーーcirquequeteのInstagram☝(クリックするとシルクケットのInstagramに飛べます。)新商品の紹介や近々開催されるイベント情報の発信、そして注目は河崎さんのトーク力が光るインスタライブの発信もあります!!
オープンしたきっかけは?
元々は10年前ぐらいから、趣味でアクセサリーを作っていたんですよ。私は古いボタンとかが好きだったので、そのボタンとかビーズを使ったアクセサリーを作っていて。それをマルシェに出店して販売したりとか、雑貨屋さんに卸したりそんな形で活動をしてたんですよ。で、ずっと「雑貨屋さんをやってみたいな」「自分のお店持ちたいな」っていうのは20代前半ぐらいから考えていて。で具体的にはどうしようかなと考えている時に、浜松市主催の「リノベーションスクール」っていうのがあって、それに参加したんですね。それでリノベーションスクールの題材がここのビル(4階建てのScenextビル)をどういう風に活用できるか。だったんです。その後実際に活用に向けて動きだしますってなった時に、1・2階では他の事業者さんが入るかもみたいな話が出ていたんですね。でも3階と4階は空きの状況。で、なんかちょうどいい広さだし、元々ネット販売でお店は少しずつ始めていたので、ここにそれを持ってきたらなんできそうだなって具体的なイメージが湧いてきて。浜松駅も近いからお客様にも来てもらいやすいかなとも思って3階にお店を出すことにしました。ご縁というかタイミングが丁度合ったなって思っています。
ーー浜松市主催の「リノベーションスクール」の題材だった「Scenextビル」。
お店の名前の由来を教えてください。
よく、生地のシルク?って言われるけど、違うんです。シルクがフランス語で”サーカス”っていう意味で。で、「ケット」もフランス語なんですけど、”探索する”とか”クエスト”とかそういう意味があるんですよ。だから”ここ”に来て「あなたにとっての宝物を見つけてほしい」という意味を込めて名付けました。語呂も良いですしね!!
お店をオープンされて大変だったことはありますか?
大変だったな!は、お店を3階に作ったことですかね。もう苦労しましたよ、最初は(笑)あまりに隠れ家すぎて、見つけてもらえなくて。徐々に口コミとかで知ってもらって、あそこにこんなお店があったんだ!みたいな。最初はちょっとそれに苦労したけど、今では隠れ家的で良いねって。あとはやっぱ階段がちょっと昔の階段で急なんですよね。でお子さんとかも大変だし、怪我をしている方に「登れないから行けないわ」って言われた事もあります。そんな時は私が1階まで行きますよ(笑)
そんな感じでハード面では大変な部分もありますが、逆にここで良かったという事も実はすごく多くて。最初の頃は下の階がなかなか埋まらなくてビルの雰囲気も寂しかったのですが、2階と4階にはフォトスタジオ「taruto-緑の小さな写真屋さん-」が入って、その後1階に100cafeさんが入ってくれて。やっと1~4階まで埋まったんです!!それでこのビルの皆が本当に仲良しなんですよ。毎月1回Scenextビルの「オールスター感謝祭」を3店舗で開催したり、他のイベントを開催したり。じゃあコーヒーは100cafeさんにお願いして、写真はtarutoさんにお願いしようみたいな感じで皆で協力してやっています。もうなんか学校みたいな感じで楽しいんですよ。大人になってからそんな事出来る環境があるって素晴らしいなって。皆から『ココ(私のお店)がまず出来たから、今のの形があるんだよって』言ってもらえたりもして。すごいありがたいなと思います。
左)Scenextビルと河崎さん。右)Scenextビルをモチーフにした「オリジナルレコードトート」も3店舗合同で制作。各お店でご購入頂けます。(単色¥3900-taxin/2色 ¥4500-taxin)
普段の1日の流れを教えてください。
日によってお店のオープン時間は変わるのですが、基本14:00~20:00オープンという日が多いので、お昼くらいにお店に来る事が多いです。それで店内の整頓したり掃除したりして。オープン前にちょっと事務作業したり、新しく仕入れた商品とかに値札つけたり、紹介用に写真を撮ってinstagramとかに掲載したり。そんな事をやっているうちにオープン時間になるので、オープンしてる間はお客様対応しながら、カウンターの所に作業できるように全部置いてあるので、自分の作品もちょこちょこ作りつつみたいな感じですね。
ーー左)お店のカウンター。こちらはレジ兼、カウンター奥は河崎さんの作業場にもなっています。右)河崎さんの作品たち。お店で購入出来ます。
日々お店を運営されている中で、原動力やパワーの源になっている出来事があれば教えてください!
私結構勢いでお店を始めたところもあって、ちょっと最初ドキドキしてて。このお店ってあんまり他にないものっていうコンセプトでやってるので、お客様に受け入れてもらえるかなとか思っていたんです、でも「すごい面白いお店が出来て嬉しい!」と言ってくださる方も多くて。そんな言葉を頂けると「お店をやって良かったな」って思います。後はお客様同士(作家さん同士)の繋がりが生まれるのも嬉しいですね。この場所で出会って、お喋りして、仲良くなって。そしたらお互いに仕事をお願いしたりして。コラボレーションも生まれたりする。「これを描いて欲しいな」って会話されてたのが、実際絵になってそれを見せてもらったりだとか。ロゴをお願いしたりだとか。そうやって”ココ”から生まれた出会いで、その先に繋がってくのも嬉しいなって思います。なんかそれは、このお店の規模感と距離感ならではなのかなと思って。それがモチベーションになっていたりします。
今後の展望やお知らせなどがあれば教えてください。
それぞれの得意や好き、知りたい!やってみたい!を集めてみんなで楽しむ大人の部活動「シルクケットシュミ部」というのを開催しています。例えば今はもうやってないんですけどボードゲームをする「ボドゲ部」だったり、今は「星占い部」っていうのを毎月やっています。あとは今洋服の廃棄とかそういう問題に興味があって勉強中でもあるんですけど、「アップサイクル部」というのも始めました。アップサイクルって不要なものを再利用して価値の高いものに変える取り組みの事なのですが、リサイクルは原料に戻すのに対し、アップサイクルは元の素材を活かして新しい製品を作るのが特徴です。私たちの活動では、端切れを使ってハンドメイドで新しいアクセサリーに変えてみたり、自分の持っている着ない・着れなくなった服をお裁縫やクラフトで愛すべき相棒(人形)にしたり、ブローチにしたり…そんな感じで楽しみながら「部活動」みたいな形で活動しています。どなたでもご参加頂けますので、気になる方はぜひお問い合わせください!アップサイクルについては、去年開催したフリーマーケットのイベントを、また今年の5月25日に新川モールで開催をする予定でして、その中でアップサイクルのワークショップを開催しようかなと思っています。ゴミにするものを減らすっていう取組を少しでも広げていきたいなと思っています。
ーー雑貨販売だけでなく、ビル全体でのイベントやシュミ部など、パワフルに活動される河崎さん。お店の事以外にも力をいれている活動があるとか…?続いてはそちらの活動についてもお話を伺いたいと思います。
ディープなまちなか 古着・雑貨屋MAP について教えてください。
「ディープなまちなか 古着・雑貨屋MAP」は浜松駅周辺地域への回遊を目的に作成した「古着や雑貨店のマップ」です。2024年10月に第1弾を発行しました。20~30代の若いオーナー達が活躍する古着屋・雑貨屋などの個人商店や、この数年間の間に新しくできたホットなスポット、その他ディープで面白いスポットなど、私のおすすめの場所をたっぷりとご紹介する内容となっています。
ーー☝のMapをクリック‼詳しく紹介しているページに飛びます。
このMAPを作ろうと思ったきっかけはなんだったんですか?
「浜松って面白いお店が全然ないじゃん。」って言われることが多いなって思ってて。それがちょっと悔しいなって思っていたんです。知られていないだけで意外とあるよって。でもそれを説明する時に、既存のMAPでは指し示しづらいっていうか。地図を指しながら「ここの角を曲がってこの辺!」みたいな(笑)だったらもう自分で作っちゃえ!って思ったのがきっかけですね。あとは「自分のお店をまず知ってもらいたい」っていうのもあって。「五社神社の横だよ」って言っても、そんなビルあったっけ?っていう反応が多くて。これは自分がそういう場所を選んだのもあるし、勝手に使命感だ!と思って始めました。
このMAPの特徴と今後の展開は…?
「周遊」「回遊」を目的としている事ですかね。兎に角1店舗だけじゃなくて色々巡ってみて欲しいと思っています。そのためにまず紙媒体のMAPを用意しました。やっぱり紙が一番見やすいかなって。で、紙のMAPで興味を持ってもらって実際行ってみようってなった時は、このMAPに載せているQRコードから全店舗をまとめたgoogleMapに飛べるようになっているのでそこから調べたりできますしね。
今後としては第2弾、第3弾と続けていければと思っています。中身の更新や新しい掲載店増やしたり、後は回遊に繋がる仕組みも組み込んでいけたらなっと思っています。まだ全然動かせていないけれど、MAPのInstagramのアカウントも作ったんですよ。なので今後はそっちのInstagramも動かしながら、各店舗の紹介も出来たらなと思っています。
ーーディープなまちなか 古着・雑貨屋MAPのInstagramはこちら
最後にこの記事を読んでくれている方にメッセージなどあれば教えてください
まだシルクケットに来た事がないという方も、最初は初めての場所って緊張すると思うんですけど、うちのお店ではイベントも多く開催していますし飛び込んで来てもらったら結構楽しいと思うので気軽に遊びにきてください!!
古着・雑貨屋MAPは、基本私1人でやっているので手の回らない部分も多々あって。なので一緒に活動して頂ける方がいたら嬉しいです。それぞれのお店がすごい頑張っているんで、こういう活動をきっかけに「お店同士の繋がり」も出来たらいいかなと思っていて。なのでこの活動にご賛同いただける方、興味のある方がいらっしゃいましたら是非ご連絡ください!!
ーー河崎さん、貴重なお話を有難うございました。